タコ足配当(特別分配金)とは?見分け方やリスクを回避する方法を紹介

投資の世界で耳にする「タコ足配当」という言葉がありますが、具体的にどんな意味なのか、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。

タコ足配当とは、会社が利益ではなく、自己資本や借入金を使って配当金を支払うことを指します。

見かけ上は高配当のように見えますが、実は会社の財務状況が悪化している可能性があるため、注意が必要です。

この記事では、タコ足配当の仕組みやメリット・デメリット、見分け方についてわかりやすく解説します。投資の失敗を避けるためにも、タコ足配当のリスクをしっかり理解しておきましょう。

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目次

タコ足配当とは?仕組みをわかりやすく解説

タコ足配当とは、企業が利益ではなく、自己資本や借入金を使って配当金を支払うことです。

見かけ上は高配当のように見えますが、実際には会社の財務状況を悪化させるリスクがあるため、投資家にとって注意が必要な配当の形態です。

この配当方式は、利益が出ていないにもかかわらず、配当金を維持するために行われることが多く、長期的には企業の成長を阻害する要因となります。

ここからは、タコ足配当の意味やなぜ発生するのかについて、わかりやすく解説していきます。

タコ足配当の意味

タコ足配当は、正式名称を「資本払い戻し」や「Return of Capital」といい、企業が利益を上げていない場合でも、自己資本を取り崩して配当金を支払うことを指します。

投資信託では、元本を取り崩して支払う配当金のことを「特別分配金」といいます。

タコ足配当と呼ばれる理由は、タコが自分の足を食べている様子からきています。「自分の身を削って配当を出している状態」をタコの姿に例えた表現です。

利益を出さずに自己資本を削って配当を行うため、一時的には高配当を維持できますが、長期的には会社の資産が減少していくため、長期的にはリスクは大きいといえるでしょう。

タコ足配当が発生する理由

タコ足配当が発生する主な理由は、以下のとおりです。

業績の悪化を隠すため

企業が業績の悪化を隠すために、高配当を維持して株価を支えようとする場合があります。

「高配当=業績が良い」というイメージを利用して、株主を引き留めたり、新たな投資家を呼び込む狙いがあります。

しかし、実際には利益が出ていないため、自己資本を取り崩して配当しているケースが多く、長期的には会社の財務状況が悪化します

株主還元を強調するため

企業が株主還元を強調するために、無理に高配当を維持することがあります。

とくに、配当政策を重視している企業や、減配が株価に大きく影響する企業では、配当を減らすことで株主からの信頼を失うことを避けるために、タコ足配当が行われる場合があります

減配=業績悪化と捉えられることを避けるため、無理をしてでも配当を維持する戦略です。

株価維持のため

高配当を維持することで、株価の下落を防ごうとする場合もあります。

高配当を出している銘柄は、配当狙いの投資家が多いため、減配が行われると株価が大幅に下落する可能性があります

株価維持を目的に、一時的にタコ足配当を行うことがありますが、長期的には財務状況の悪化を招くリスクが高いです。

タコ足配当に潜むリスク

タコ足配当は、一見すると高配当で魅力的に見えますが、実際には大きなリスクを伴います。長期的に見ると、企業の財務状況を悪化させたり、投資信託の元本が目減りする原因となるため、注意が必要です。

会社の財務状況が悪化するリスク

タコ足配当は、自己資本を取り崩して配当を支払っているため、会社の財務状況を悪化させるリスクがあります。

自己資本が減少することで、企業の財務体質が弱くなり、長期的な成長が難しくなります。自己資本比率が低下している企業は財務の安定性が低くなり、業績が悪化した際には倒産リスクが高まります。

また、借入金を利用して配当を出している場合、負債が増加し、返済の負担が重くなります。

業績が悪化した際には、返済が困難になり、財務状況の悪化を招く可能性もあるでしょう。

ぺん子

高配当を維持している銘柄ほど、タコ足配当のリスクが潜んでいることが多いため、財務状況を確認することが重要です。

投資信託の元本が目減りするリスク

タコ足配当は、分配型投資信託でも発生することがあります。

とくに毎月分配型の投資信託では、元本を取り崩して分配金を支払っているケースがあり、元本が目減りするリスクがあるため、注意が必要です。

分配金が高すぎる場合、実際には投資先からの収益ではなく、元本を取り崩して分配していることがあります。

特別分配金が発生している場合は、元本の払い戻しであるため、投資元本が減少していることを意味します

また、分配金が定期的に支払われている場合でも、基準価額が右肩下がりになっている場合は、タコ足配当の可能性が高いです。

ぺん子

基準価額が長期的に減少している場合は、元本が目減りしている可能性があります。

タコ足配当を見分けるポイント

タコ足配当は見かけの高配当に惑わされがちですが、いくつかのポイントを押さえることで見分けることができます。

分配金や配当金の利回り、配当性向、キャッシュフローの状況を確認することで、自己資本を取り崩して配当を行っているかどうかを判断できます。

分配金・配当金の利回りが高すぎないか

タコ足配当を見分けるためには、分配金や配当金の利回りが高すぎないかを確認することが重要です。

一般的に、利回りが異常に高い場合は、自己資本を取り崩している可能性があります

たとえば投資信託の毎月分配型商品で、年利5%を超える場合は、元本を取り崩して分配金を支払っている可能性が高いため、注意が必要です。

分配金が高すぎる場合、実際には投資先からの収益ではなく、元本を削っていることがあるため、見せかけの高配当に惑わされないようにすることが大切です。

また、個別株でも配当利回りが異常に高い銘柄は、利益ではなく自己資本を原資にしている可能性があるため、注意が必要です。

ぺん子

業績が悪化しているのに高配当を維持している銘柄は、タコ足配当のリスクが高いです!

配当性向に問題はないか

配当性向は、企業がどれだけの利益を配当金に回しているかを示す指標であり、タコ足配当を見分ける上で非常に重要なポイントです。

配当性向が100%を超えている場合は、利益以上の配当を出しているため、自己資本を取り崩している可能性が高いです。

一般的に、配当性向が50%〜70%の範囲であれば、無理なく配当を出していると判断できます。しかし、営業利益が減少しているのに配当を維持している場合は、タコ足配当のリスクがあるため、慎重に判断しましょう。

また、投資信託で特別分配金が発生している場合は、元本を払い戻しているため、配当性向が100%を超えているのと同じ状態になっています。

ぺん子

分配型の投資信託であれば、特別分配金の有無を確認することで、タコ足配当のリスクを見分けられます。

キャッシュフローはマイナスじゃないか

キャッシュフローの状況を確認することで、タコ足配当を見分けられます。

とくに、営業キャッシュフローがマイナスで配当を出している場合は、タコ足配当のリスクが非常に高いです。

営業キャッシュフローは、企業の本業から得られる現金の流れを示しているため、マイナスの場合は本業で稼げていないことを意味します。

また、投資キャッシュフローがプラスで、営業キャッシュフローがマイナスの場合は、資産を売却して配当を出している可能性があります。

これは、一時的にキャッシュを得ている状態であり、長期的には資産が減少するため、タコ足配当のリスクが高くなります。

タコ足配当のリスクを回避する方法

タコ足配当は、見かけの高配当に惑わされやすく、長期的には資産が目減りするリスクがあります。しかし、いくつかの方法を実践することで、タコ足配当のリスクを効果的に回避できます。

再投資型の投資信託を選ぶ

タコ足配当のリスクを回避するためには、再投資型の投資信託を選ぶことが有効です。

分配金を受け取らずそのまま再投資するタイプの投資信託は、元本を取り崩すことがないため、タコ足配当のリスクがゼロに近くなります

分配型投資信託は、見かけ上は高配当に見えることが多いですが、実際には元本を削って特別分配金を支払っているケースが少なくありません。

一方で、再投資型の投資信託は、得られた利益をそのまま再投資するため、資産がしっかりと積み上がります。

とくにインデックス型の再投資型投資信託は、長期の資産形成に向いており、タコ足配当のリスクを回避しながら、安定した成長を期待できます。

安定した配当を出している企業を選ぶ

タコ足配当を避けるためには、安定した配当を出している企業を選ぶことが重要です。

配当性向が無理のない範囲である企業を選ぶことで、タコ足配当のリスクを低減できるでしょう。

具体的には、配当性向が50%〜70%の範囲であれば、無理なく配当を維持していると判断できます

また、連続増配を行っている企業は、安定した収益を上げていることが多く、タコ足配当のリスクが低いです。

高配当を維持している企業よりも、増配率が高い企業を選ぶことで、自己資本を取り崩すことなく、配当を成長させているかを判断できます。

ぺん子

業績が安定しており、無理のない配当政策を行っている企業を選ぶことで、タコ足配当のリスクを避けられます。

複数の銘柄に分散投資する

タコ足配当のリスクを回避するためには、複数の銘柄に分散投資を行うことが効果的です。

特定の銘柄に集中投資すると、その企業がタコ足配当を行っていた場合、資産が大きく目減りするリスクがあります。

たとえばインデックス型投資信託を利用して、複数の銘柄に自動的に分散投資することで、タコ足配当を行っている企業の影響を最小限に抑えることができます。

とくに、全世界株式やS&P500などのインデックス型は、幅広い企業に分散投資しているため、一部の企業のタコ足配当の影響を受けにくいです。

また、個別株を選ぶ場合でも、異なる業種や地域の企業に分散投資することで、タコ足配当のリスクを分散させられます。

投資・資産運用を始めるのにおすすめの証券会社3選

これから投資・資産形成を始める方に向けて、おすすめの証券会社をピックアップしました。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券

それぞれの証券会社の特徴やおすすめポイントなどについて、詳しく解説します。

SBI証券|取扱銘柄数が豊富!投資初心者の方にもおすすめ

SBI証券の概要
SBI証券[旧イー・トレード証券]
会社名SBI証券
取扱商品投資信託・国内株・米国株・ETF・債券・FXなど
NISA対応
iDeCo対応
取引ツールパソコン用ツール・スマホアプリなど
特徴口座開設数1,300万以上
クレカ積立でVポイント還元

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SBI証券は、日本株・米国株・投資信託・債券・FXなど、幅広い投資商品を取り扱う総合証券会社です。

手数料が業界最安水準であることに加え、住信SBIネット銀行との連携で為替手数料を抑えられる点も大きな強みです。

SBI証券の特徴
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  • 投資信託の取扱数が業界最多クラス
  • 便利な株アプリで手軽に取引可能
  • 住信SBIネット銀行経由で為替手数料が最安水準
  • VポイントやPontaポイントで投資が可能

SBI証券は、コストを抑えつつ幅広い銘柄を取引できる点が大きな魅力です。とくに、住信SBIネット銀行を利用することで為替コストを下げられるのは、大きなメリットになります。

また、日本株や投資信託はVポイント・Pontaポイントなどで購入することが可能です。貯まっているポイントを有効活用したい方にとって、魅力的な選択肢になるでしょう。

SBI証券はNISA口座にも対応しているため、ぜひNISAでの取引も検討してみてください。

楽天証券|楽天ポイントを活用したい人におすすめ!

楽天証券の概要
会社名楽天証券
取扱商品投資信託・国内株・米国株・ETF・債券・FXなど
NISA対応
iDeCo対応
取引ツールパソコン用ツール・スマホアプリなど
特徴楽天ポイントが投資に使える
楽天カードのクレカ積立でポイント還元

<2025年3月キャンペーン情報>
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楽天証券は、楽天ポイントを活用しながら投資ができる点が最大の特徴です。

投資信託や日本株だけでなく、米国株やETFの買付にも楽天ポイントを使えるため、普段の買い物やサービスで貯めたポイントを資産運用に回せる というメリットがあります。

楽天証券の特徴
  • 楽天ポイントを使って日本株・米国株・投資信託を購入可能
  • 日本株の売買手数料が無料(一定条件あり)
  • 投資信託の取扱数が豊富(2,600本以上)
  • 楽天銀行と連携すると普通預金の金利が優遇(最大0.1%)
  • クレジットカード積立(楽天カード)で1%ポイント還元

楽天証券は、楽天ポイントを活用しながら投資をしたい人に最適です。

とくに楽天経済圏で生活をしており、楽天カードや楽天市場でポイントを貯めている方であれば、無駄なく資産形成を進められるでしょう。

楽天証券はNISA口座の開設が可能なため、楽天ポイントでNISAの運用がしたい方にもおすすめです。

マネックス証券|米国株投資と高機能ツールが魅力

マネックス証券の概要
マネックス証券
会社名マネックス証券
取扱商品投資信託・国内株・米国株・ETF・債券・FXなど
NISA対応
iDeCo対応
取引ツールパソコン用ツール・スマホアプリなど
特徴銘柄スカウターでデータ分析が可能
スマホアプリで簡単操作

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口座開設&NISA口座開設などの条件達成で最大2,000ptのdポイントプレゼント

マネックス証券は、初心者から上級者まで幅広い投資家に支持されるネット証券会社です。

とくに、米国株取引や高機能な取引ツールに強みを持ち、幅広い投資ニーズに応えています。

マネックス証券の特徴
  • 米国株取引手数料が業界最安水準(約定代金の0.495%)
  • 「銘柄スカウター」で効率的な銘柄分析が可能
  • NISA・iDeCo対応で長期投資にも適している
  • 豊富なIPO(新規公開株)の取り扱い
  • 投資初心者向けのガイドや情報提供が充実

マネックス証券は、米国株投資に興味がある方におすすめの証券会社です。約4,000銘柄以上の米国株やETFを取り扱っており、手数料も低コストなので取引しやすいでしょう。

また、無料ツールの「銘柄スカウター」を使えば、企業の詳細なデータを簡単に分析でき、中長期投資を考える方にとって強力なツールとなります

米国株投資や多機能なツールを求める方にとって、マネックス証券は非常に魅力的な選択肢です。手数料を抑えて本格的な投資を始めたい方は、ぜひ検討してみてください。

まとめ:タコ足配当のリスクを理解して投資しよう

タコ足配当は、一見すると高配当で魅力的に見えますが、実際には自己資本を取り崩して配当を支払っているため、長期的には資産が目減りするリスクがあります

分配型投資信託では見かけ上の高配当に惑わされやすく、特別分配金が発生している場合は、元本を削っている可能性があります。

分配金が高すぎる場合や、基準価額が右肩下がりになっている場合は、タコ足配当のリスクがあるため、必ず分配金の内訳や基準価額の推移を確認することが大切です。

タコ足配当のリスクを回避するためには、再投資型の投資信託を選ぶことが有効です。また、安定した配当を出している企業を選ぶことで、タコ足配当のリスクを低減できます。

見かけの高配当に惑わされず、タコ足配当のリスクを正しく理解して、長期的な視点を持って投資を行いましょう。

※本記事に掲載している情報は当サイトの見解です。最終的な投資判断は自己責任でお願いいたします。

※本記事に記載している内容は更新日時点での情報です。
※実際のサービス内容は公式サイトをご確認して頂くようお願いします。

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