高配当ETFは、手間をかけずに配当金を受け取りながら資産形成ができるのが魅力ですが、ETFごとに特徴が異なるため、自分の投資スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
本記事では、2025年最新版の「米国おすすめ高配当ETF10選」を紹介します。配当利回りが高いETF、安定した増配が期待できるETF、キャピタルゲインを狙えるETFなど、目的別に厳選しました。
高配当ETFを選ぶ際のポイントや、NISAを活用するメリットについても解説するので、これから高配当ETFを始めたい人はぜひ参考にしてください。
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高配当ETFとは?
高配当ETFとは、主に配当金の支払いが多い企業の株式を組み入れたETF(上場投資信託)のことです。
配当利回りが高い銘柄や安定的に増配を続けている企業を中心に構成されており、長期的に安定したインカムゲイン(配当収入)を得ることを目的としています。
ETFは個別株と比べて分散投資が可能なため、特定の企業の業績悪化による影響を抑えつつ、配当収入を確保できる点がメリットです。
とくに長期投資を考える人にとって、高配当ETFは魅力的な選択肢の一つとなるでしょう。
そもそもETFとは?
ETF(上場投資信託)は、証券取引所で取引される投資信託のことを指します。通常の投資信託とは異なり、株式のように市場でリアルタイムに売買できる点が特徴です。
ETFのメリットは以下のとおりです。
- 分散投資が可能
→ETFは複数の銘柄を組み入れているため、1つの銘柄に投資するよりもリスクを抑えられる - 手数料が比較的低い
→一般的なアクティブファンドよりも信託報酬が安い傾向にある - 流動性が高い
→市場で取引されるため、通常の投資信託のように基準価額で注文するのではなく、リアルタイムで売買が可能
高配当ETFもこの仕組みに基づいて運用され、配当金を受け取りながら長期的に資産を増やすことが可能です。
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高配当ETFの種類
高配当ETFには、大きく分けて「高配当型」と「増配型」の2種類があります。
- 高配当型
→配当利回りが高い銘柄を中心に組み入れるETF。短期間で比較的高い配当収入を得ることを目的とする。 - 増配型
→長期的に増配を続けている企業を組み入れるETF。将来的に安定した配当の成長を狙う。
高配当型ETFの特徴
高配当型ETFは、現在の配当利回りが高い銘柄を多く含むため、比較的早く配当収入を得られるのが特徴です。ただし、高配当銘柄の中には、業績が悪化して配当が減少するリスクもあるため、投資対象の選定には注意が必要です。
増配型ETFの特徴
増配型ETFは、企業の安定した利益成長とともに配当金も増加することを目的としています。短期的な配当利回りはやや低めですが、長期的には配当金の増加が期待できるため、資産形成に適しています。
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短期的な配当収入を重視するなら高配当型、長期的な成長を見据えるなら増配型が適しています。
【2025年最新版】米国のおすすめ高配当ETF10選!
2025年最新版の米国おすすめ高配当ETF10選をピックアップしました。
銘柄 | 配当利回り | トータルリターン (過去5年) | 経費率 | 新NISA |
---|---|---|---|---|
VYM | 2.92% | 10.96% | 0.06% | ○ |
HDV | 3.90% | 8.25% | 0.08% | ○ |
SPYD | 4.99% | 7.79% | 0.07% | ○ |
SCHD | 3.82% | 11.69% | 0.06% | △※1 |
DVY | 3.92% | 9.22% | 0.38% | ○ |
QYLD | 12.15% | 7.43% | 0.61% | × |
JEPI | 6.68% | 7.95% ※過去3年 | 0.35% | × |
SDY | 3.07% | 7.95% | 0.35% | ○ |
VIG | 1.74% | 11.90% | 0.05% | ○ |
NOBL | 2.30% | 8.96% | 0.35% | ○ |
※1:投資信託のみ購入可能
各ETFの特徴について、次の項目から詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
VYM|大人気の王道ETF
VYM(バンガード・米国高配当株ETF)は、安定した配当を支払う大型株を中心に組み入れた、高配当ETFの王道ともいえる存在です。とくに、バンガードが運用するETFの中でも人気が高く、多くの投資家に選ばれています。
VYMの特徴
- 配当利回り:2.92%
→高配当ETFの中では控えめだが、安定感がある - 5年トータルリターン:10.96%
→値上がり益も狙えるバランスの取れたETF - 経費率:0.06%
→業界最低水準の運用コスト - 新NISA:○
→成長投資枠で購入可能
VYMの投資戦略
VYMは、米国の大型株の中でも、安定した配当を支払う企業を厳選しています。そのため、配当利回りは超高配当ETFほどではありませんが、長期的な増配の可能性が高く、安定したリターンを期待できます。
VYMの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- ブロードコム(AVGO)
- JPモルガン・チェース(JPM)
- エクソン・モービル(XOM)
VYMはこんな人におすすめ
- 安定した配当を得ながら、値上がり益も狙いたい人
- 超高配当よりも、バランスの取れた投資をしたい人
- 低コストで長期投資を考えている人
VYMは、配当重視の投資家にとっても、キャピタルゲインを狙いたい人にとっても、非常に魅力的なETFです。高配当ETF投資のスタートとしても選びやすいでしょう。
HDV|ディフェンシブな高配当ETF
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)は、ディフェンシブ銘柄を中心に構成された高配当ETFです。エネルギーやヘルスケアなど、景気の影響を受けにくいセクターの比率が高く、安定した配当収入を得やすいのが特徴です。
HDVの特徴
- 配当利回り:3.90%
→高配当ETFの中でも比較的高水準 - 5年トータルリターン:8.25%
→VYMと比べると値上がり益は控えめ - 経費率:0.08%
→低コストで運用可能 - 新NISA:○
→成長投資枠で購入可能
HDVの投資戦略
HDVは、モーニングスター社が選定した「財務的に健全で安定した配当を支払う企業」を組み入れるETFです。
主に、エネルギー・ヘルスケア・通信など、景気の影響を受けにくいセクターを多く含んでいるため、ディフェンシブ性が高く、景気後退時でも比較的安定したパフォーマンスを発揮します。
HDVの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- エクソンモービル(XOM)
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
- シェブロン(CVX)
HDVはこんな人におすすめ
- 景気に左右されにくい高配当ETFを探している人
- エネルギー・ヘルスケア・通信などの安定セクターに投資したい人
- VYMよりも配当利回りを重視したい人
HDVは、高配当を維持しつつも、ディフェンシブな銘柄に分散投資できる点が魅力です。景気変動の影響を受けにくいETFを探している人にとって、魅力的な選択肢になるでしょう。
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SPYD|高利回りが魅力のETF
SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)は、S&P500構成銘柄の中から、高配当な80銘柄を均等に組み入れたETFです。
配当利回りが4.99%と高く、安定したインカムゲインを得やすいのが特徴ですが、景気敏感株の比率が高いため、値動きが大きくなる傾向があります。
SPYDの特徴
- 配当利回り:4.99%
→高配当ETFの中でもトップクラスの水準 - 5年トータルリターン:7.79%
→配当込みのリターンは控えめ - 経費率:0.07%
→低コストで運用可能 - 新NISA:○
→成長投資枠で購入可能
SPYDの投資戦略
SPYDは、S&P500銘柄の中から、高配当上位80銘柄を均等加重で組み入れるというシンプルな設計です。
そのため、エネルギー・不動産・金融セクターの割合が高く、景気変動の影響を受けやすい傾向があります。株価のボラティリティ(変動幅)は大きめですが、配当利回りが高いため、配当重視の方に人気があります。
SPYDの主な組み入れ銘柄(上位3社)
SPYDは均等加重のため、上位銘柄が頻繁に入れ替わりますが、代表的な企業には以下のようなものがあります。
- ケロッグ(K)
- エンタジー(ETR)
- モルガン・スタンレー(MS)
SPYDはこんな人におすすめ
- 高い配当利回りを最優先したい人
- ボラティリティ(値動きの大きさ)を許容できる人
- 均等加重の分散型ETFを探している人
SPYDは、シンプルな運用ルールと高配当が魅力のETFですが、景気敏感株の影響を受けやすいため、株価の変動に耐えられるかどうかがポイントになります。
安定志向の人よりも、高配当狙いのアクティブな投資家向けのETFといえるでしょう。
SCHD|増配×高配当のバランス型ETF
SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)は、連続増配を重視しながら、高い配当利回りも確保できるバランス型のETFです。VYMやHDVと比べても増配の傾向が強く、配当を受け取りながら長期的な資産成長を狙う方に人気があります。
なお、日本の証券会社ではSCHDのETFを直接購入できません。 しかし、SBI証券や楽天証券では「シュワブ米国配当株式ファンド(投資信託)」が提供されており、ETFと同様の運用をする投資信託を通じて投資することが可能です。
SCHDの特徴(ETF版)
- 配当利回り:3.82%
→高配当ETFとして十分な水準 - 5年トータルリターン:11.69%
→増配銘柄を多く含み、値上がりも期待できる - 経費率:0.06%
→低コストで運用できるのが魅力 - 新NISA:△
→ETFは購入できないが、投資信託は成長投資枠で購入可能
SCHDの投資戦略
SCHDは、米国の過去10年以上の連続増配実績を持つ銘柄の中から、財務健全性の高い企業を選定しています。
増配を続けながら安定した利益を出せる企業を多く組み入れているため、VYMやHDVと比べてトータルリターンが高くなる傾向があります。
また、増配を重視する一方で、配当利回りも比較的高いため、「増配も狙いたいけど、ある程度の配当収入も欲しい」 という方に適したETFです。
SCHDの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- ファイザー(PFE)
- ブラックロック(BLK)
- アムジェン(AMGN)
SCHDはこんな人におすすめ
- 増配を期待しつつ、高めの配当も受け取りたい人
- VYMやHDVよりもトータルリターンを重視したい人
- 低コストで長期的に安定運用したい人
SCHDは、高配当ETFと増配ETFのいいとこ取りをしたバランス型ETFです。単純な高配当ETFよりも成長性があり、VIGよりも配当利回りが高いので、長期投資にも適しています。
日本の証券会社ではSCHD(ETF)は取り扱いがないものの、SBI証券
SBI証券は「SBI・S・米国高配当株式・ファンド」、楽天証券は「楽天・高配当株式・米国ファンド」という商品名です。いずれも新NISAでの積立に対応しているため、SCHDで分配金を増やしていきたい方におすすめです。
DVY|金融比率が高めの安定配当ETF
DVY(iシェアーズ 好配当株式ETF)は、金融・タバコ・公益事業・通信など、安定した配当を支払う企業を幅広く組み入れたETFです。
金融セクターの比率が高めですが、エネルギー・ヘルスケア・通信などのディフェンシブセクターも含まれており、バランスの取れた配当収入が期待できます。
DVYの特徴
- 配当利回り:3.92%
→高配当ETFの中でも安定した配当を確保 - 5年トータルリターン:9.22%
→配当と値上がり益のバランスが取れている - 経費率:0.38%
→やや高めだが、分散投資が可能 - 新NISA:○
→成長投資枠で購入可能
DVYの投資戦略
DVYは、安定した配当を支払い続けている企業の中から、財務の健全性が高い銘柄を選定しています。
金融セクターの比率が高く、銀行や金融サービス企業が多く組み入れられていますが、それに加えてタバコ・公益事業・通信・ヘルスケア・エネルギーといったディフェンシブ銘柄も含まれるのが特徴です。
このように金融比率が高めでありながら、他セクターにも分散されているため、景気循環による影響をある程度抑えながら、高配当を狙うことができます。
DVYの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- アルトリア・グループ(MO)
- AT&T(T)
- インターナショナル・ペーパー(IP)
DVYはこんな人におすすめ
- 金融比率が高めの高配当ETFを探している人
- ディフェンシブ銘柄も含めたバランス型のETFを探している人
- 安定した配当を受け取りながら、値上がりも狙いたい人
DVYは、金融比率が高めではあるものの、タバコ・通信・エネルギー・公益事業・ヘルスケアなどのディフェンシブセクターにも分散されているため、リスクを抑えつつ高配当を狙えるETFです。
金利上昇局面では金融株のパフォーマンスが良くなる傾向 があるため、ポートフォリオの一部として活用するのも有効でしょう。
QYLD|超高配当が魅力のETF
QYLD(グローバルX NASDAQ100 カバードコールETF)は、NASDAQ100の銘柄にカバードコール戦略を活用し、高い配当利回りを実現するETFです。
通常の高配当ETFとは異なり、株価の値上がり益をある程度犠牲にする代わりに、毎月安定した高配当を得られる仕組みになっています。
QYLDの特徴
- 配当利回り:12.15%
→高配当ETFの中でもトップクラスの超高配当 - 5年トータルリターン:7.43%
→株価の値上がり益は限定的だが、安定した収益を確保 - 経費率:0.61%
→高めの手数料だが、配当戦略によるリターンで補える - 新NISA:×
→新NISAでの投資には対応していない
QYLDの投資戦略
QYLDは、NASDAQ100の構成銘柄(Apple、Microsoft、NVIDIAなどの米国テクノロジー株を中心とした指数)をベースにしながら、カバードコール戦略を用いることで高配当を実現しています。
カバードコール戦略とは、NASDAQ100の株を保有しながらオプション取引でコールオプションを売却し、プレミアム(オプション料)を投資家に分配するという仕組みです。
これにより、株価の上昇によるリターンを犠牲にする代わりに、安定した高配当を提供 しています。
QYLDの主な組み入れ銘柄(NASDAQ100ベース)
- Apple(AAPL)
- Microsoft(MSFT)
- NVIDIA(NVDA)
QYLDはこんな人におすすめ
- 超高配当を求める人(年間12%超の配当利回り)
- 値上がり益よりも、安定したインカムゲインを重視する人
- 毎月配当を受け取りたい人(QYLDは毎月分配型)
QYLDは、配当利回りの高さが最大の魅力ですが、株価の上昇益は限定的であり、経費率も0.61%と高めなので、その点を理解した上で投資する必要があります。
とくに市場が好調な時はリターンが伸びにくいというデメリットもあるため、ポートフォリオの一部として活用するのが適しています。
JEPI|超高配当のカバードコールETF
JEPI(JPモルガン・エクイティ・プレミアム・インカムETF)は、カバードコール戦略を活用し、高配当を実現するETFです。
S&P500の優良株を中心に構成しながら、オプション取引で追加のプレミアム収益を得ることで、7~10%の高配当を維持しています。
JEPIの特徴
- 配当利回り:6.68%
→高配当ETFの中でも魅力的な水準 - 3年トータルリターン:7.95%
→値上がり益は限定的だが、安定した収益を確保 - 経費率:0.35%
→一般的なアクティブETFよりは低コスト - 新NISA:×
→新NISAでの投資には対応していない
JEPIの投資戦略
JEPIは、S&P500の中からボラティリティ(価格変動)の低い銘柄を選定し、カバードコール戦略を組み合わせることで、高配当を実現しています。
カバードコール戦略とは、株を保有しながらコールオプション(株を一定価格で売る権利)を売却し、プレミアム(オプション料)を収益として分配するという仕組みです。
株価の値上がり益を一部犠牲にする代わりに、安定した高配当を生み出すことができます。
JEPIの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- メタ・プラットフォームズ(META)
- アマゾン・ドット・コム(AMZN)
- マスターカード(MA)
JEPIはこんな人におすすめ
- 株価の値上がり益よりも、安定したインカムゲインを重視する人
- QYLDよりリスクを抑えつつ、高配当を狙いたい人
- 毎月配当を受け取りたい人(JEPIは毎月分配型)
JEPIは、QYLDと同じくカバードコール戦略を活用していますが、QYLDがNASDAQ100をベースにしているのに対し、JEPIはS&P500をベースにしており、よりディフェンシブな設計になっています。
そのため、超高配当ETFの中でもリスクを抑えつつ、高配当を狙いたい人に適したETFです。
市場の大きな上昇局面ではリターンが抑えられるデメリットもあるため、キャピタルゲインを狙う投資とは別の選択肢として考えるのが良いでしょう。
SDY|S&P高配当貴族指数が対象のETF
SDY(SPDR S&P 米国高配当貴族ETF)は、S&P1500(S&P 500、S&P 400、S&P 600すべて)の中で、20年以上連続増配している企業を対象としたETFです。
安定した増配実績を持つ企業のみを組み入れるため、配当収入を重視しながらも、長期的な増配による資産成長を狙うことができます。
SDYの特徴
- 配当利回り:3.07%
→増配ETFの中では比較的高めの水準 - 5年トータルリターン:7.95%
→値上がり益は控えめだが、配当成長を重視 - 経費率:0.35%
→VIGより高いが、増配実績のある銘柄に特化 - 新NISA:○
→成長投資枠で購入可能
SDYの投資戦略
SDYは、S&P1500の中から「S&P高配当貴族指数」に採用される、20年以上連続増配の実績を持つ企業に投資します。
企業の成長とともに配当が増えていくため、長期保有で増配の恩恵を受けやすいETFです。
VIGとよく比較されますが、VIGが「10年以上の増配実績」を持つ企業を対象にしているのに対し、SDYは「20年以上の増配実績」を持つ企業に限定しているため、より厳格な基準で選定されているのが特徴です。
SDYの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- シェブロン(CVX)
- リアルティ・インカム(O)
- WECエナジー・グループ(WEC)
SDYはこんな人におすすめ
- 長期的に増配を続ける企業に投資したい人
- VIGよりも配当利回りを重視したい人
- 安定した配当成長を狙いながら、トータルリターンも確保したい人
SDYは、増配を最優先に考える投資家向けのETFです。短期的な配当利回りは超高配当ETFほど高くはありませんが、増配の恩恵を受けることで、長期的な資産成長が期待できるのが魅力です。
増配を重視したETFを探している人には、魅力的な選択肢となるでしょう。
VIG|増配&値上がりを狙う成長ETF
VIG(バンガード・米国増配株ETF)は、配当利回りではなく、増配を重視するETFです。
10年以上連続で増配している企業を対象にしており、配当の成長とともに、値上がり益(キャピタルゲイン)も狙えるのが特徴です。
VIGの特徴
- 配当利回り:1.74%
→ほかの高配当ETFと比べると低めだが、増配が期待できる - 5年トータルリターン:11.90%
→値上がり益を含めると、VYMやHDVを上回る成績 - 経費率:0.05%
→業界最低水準の低コストで運用可能 - 新NISA:○
→成長投資枠で購入可能
VIGの投資戦略
VIGは、10年以上連続で増配している企業のみを対象とし、安定的な配当成長を狙うETFです。
現在の配当利回りは低めですが、長期的に増配する企業を厳選しているため、時間が経つほど配当収入が増えていく可能性が高い点が特徴です。
また、VYMやHDVと比較すると配当利回りは低いですが、成長性のある企業が多く含まれているため、トータルリターン(値上がり+配当)の面では強みがあります。
VIGの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- ブロードコム(AVGO)
- アップル(AAPL)
- マイクロソフト(MSFT)
VIGはこんな人におすすめ
- 配当利回りよりも、増配による将来的な配当成長を狙いたい人
- VYMやHDVよりも値上がり益(キャピタルゲイン)を重視する人
- 長期的な資産形成を考えている人
VIGは短期的な配当利回りよりも、増配による資産成長を狙う方向けのETFです。
配当収入を重視する投資家にはVYMやHDVが適していますが、長期的に配当が増えていくことを期待するなら、VIGが最適な選択肢 となるでしょう。
NOBL|連続増配のエリートETF
NOBL(プロシェアーズS&P500配当貴族ETF)は、S&P500の中で20年以上連続増配している「配当貴族銘柄」に投資するETFです。
増配の実績を重視しながらもS&P500に特化しているのが特徴で、SDYと似ていますが、より大型株にフォーカスしています。
NOBLの特徴
- 配当利回り:2.30%
→増配ETFの中ではバランスの取れた水準 - 5年トータルリターン:8.96%
→SDYよりやや成長性が高い - 経費率:0.35%
→増配ETFの中では標準的なコスト - 新NISA:○
→成長投資枠で購入可能
NOBLの投資戦略
NOBLは、S&P500に含まれる企業のうち、20年以上連続で増配している「配当貴族銘柄」のみを対象としています。
これはSDYと似たコンセプトですが、SDYがS&P1500が対象であるのに対し、NOBLはS&P500に特化しており、より大型株中心のポートフォリオになっています。
増配実績のある優良企業に分散投資することで、安定した配当収入を得つつ、長期的な資産成長も期待できるのがポイントです。
NOBLの主な組み入れ銘柄(上位3社)
- エマソン・エレクトリック(EMR)
- ウォルマート・ストアズ(WMT)
- カーディナル・ヘルス (CAH)
NOBLはこんな人におすすめ
- S&P500の中から、長期的に増配を続けている企業に投資したい人
- SDYよりも大型株中心のETFを探している人
- 値上がり益と安定配当のバランスを取りたい人
NOBLは、S&P500の中で増配を続けている企業に厳選投資するETFで、SDYよりもより大型株に特化しているのが特徴です。
増配による資産成長を狙う方にとって、長期的に安定した選択肢となるでしょう。
【目的別】高配当ETFの選び方
高配当ETFには、それぞれ異なる特徴があり、目的に応じて最適なETFを選ぶことが重要です。
安定した高配当を求める場合 | VYM、HDV、DVY |
とにかく高利回りを求める場合 | SPYD、JEPI、QYLD |
将来の増配と値上がりを狙いたい場合 | VIG、SCHD |
連続増配の安定性を重視する場合 | SDY、NOBL |
安定した高配当を狙うのか、とにかく高利回りを求めるのか、あるいは将来の増配や値上がりを重視するのかで、選ぶべきETFは変わってきます。
安定した高配当を求める場合
上記のETFは、高配当を維持しながらも、安定性を重視した銘柄で構成されています。
- VYM(バンガード・米国高配当株ETF)
→ 高配当ながら分散性が高く、バランスの取れたETF - HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)
→ディフェンシブ銘柄が多く、景気変動の影響を受けにくい - DVY(iシェアーズ 好配当株式ETF)
→金融セクターの比率が高く、安定した配当を狙える
短期的な利回りだけでなく、長期的に持ち続けることで、安定したインカムゲインを得やすいのが特徴です。
とにかく高利回りを求める場合
高利回りを最優先に考えるなら、上記3つのETFが候補になります。
- SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)
→配当利回りが高く、均等加重で組み入れ銘柄が分散 - JEPI(JPモルガン・エクイティ・プレミアム・インカムETF)
→カバードコール戦略を活用し、高配当を実現 - QYLD(グローバルX NASDAQ100 カバードコールETF)
→NASDAQ100のカバードコール戦略で、10%以上の超高配当
短期間で多くの配当収入を得られる反面、値上がり益(キャピタルゲイン)は期待しづらいケースが多いため、戦略的に活用することが大切です。
将来の増配と値上がりを狙いたい場合
現時点での配当利回りよりも、今後の増配と値上がりによる資産成長を狙うETFです。
- VIG(バンガード・米国増配株ETF)
→10年以上連続増配している企業を対象とし、安定した成長を期待 - SCHD(シュワブ米国配当株式ファンド・投資信託)
→連続増配実績を持つ銘柄を厳選し、高配当と増配のバランスを重視(ETFは日本では購入不可)
短期的なインカムゲインよりも、長期的な配当成長を重視する方に向いているといえるでしょう。
連続増配の安定性を重視する場合
上記のETFは、長期間にわたり増配を続けている企業のみを組み入れることで、安定した収益を確保しやすいのが特徴です。
- SDY(SPDR S&P 米国高配当貴族ETF)
→S&P1500の中から、20年以上増配している企業を選定 - NOBL(プロシェアーズS&P500配当貴族ETF)
→S&P500に特化し、20年以上連続増配の「配当貴族銘柄」を厳選
増配の実績を重視し、長期的に配当収入を増やしたい人に適しています。
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高配当を重視するのか、増配による成長を狙うのかを明確にし、自分に最適なETFを選びましょう!
高配当ETFに投資する際のポイント
高配当ETFを活用して安定した配当収入を得るためには、単にETFを購入するだけでなく、効率的な運用を意識することが重要です。ここでは、高配当ETFに投資する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
配当金を再投資して資産を増やす
高配当ETFから得られる配当金を再投資することで、複利効果を最大限に活用できます。
配当金をそのまま使うのではなく、追加でETFを購入することで、配当金がさらに増えていくサイクルを作ることが可能です。
一例として、以下のような運用方法が考えられます。
- 配当金が出るたびに同じETFを買い増しする
- 一定のタイミングで、配当金を元手に他のETFや個別株に分散投資する
- 配当金を証券会社の口座に入れたままにしておき、ETFを自動積立する
配当再投資は短期間では大きな変化を感じにくいですが、長期的に見ると資産形成に大きな影響を与えるため、戦略的に活用すると良いでしょう。
NISA口座を活用して非課税で配当金を受け取る
高配当ETFの配当金は、国内の税金20.315%+米国の税金10%がかかります。しかし、新NISAを活用すれば、配当金を非課税(国内)で受け取ることが可能です。
NISAを活用するメリットは以下のとおりです。
- NISA枠内でETFを購入すれば、配当金に税金がかからない
- 長期運用で税制優遇の恩恵を受けやすい
- 高配当ETFだけでなく、個別株や他のETFとも組み合わせて運用できる
ただし、米国ETFの場合、NISA口座でも「外国課税(10%)」は引かれるため、完全な非課税にはなりません。またNISAでは外国勢控除の適用もできないため、注意しておきましょう。
権利確定日・支払日を把握しておく
高配当ETFの配当を受け取るには、「権利確定日」に保有していることが条件です。権利確定日を把握しておくことで、配当の受け取りタイミングを管理しやすくなります。
ETFごとの権利確定月は以下のとおりです。SCHDのみ、投資信託の分配月を表記しています。
銘柄 | 配当月 |
---|---|
VYM | 3月、6月、9月、12月 |
HDV | 3月、6月、9月、12月 |
SPYD | 3月、6月、9月、12月 |
SCHD (投資信託) | 楽天:2月、5月、8月、11月 SBI:3月、6月、9月、12月 |
DVY | 3月、6月、9月、12月 |
QYLD | 毎月 |
JEPI | 毎月 |
SDY | 3月、6月、9月、12月 |
VIG | 3月、6月、9月、12月 |
NOBL | 3月、6月、9月、12月 |
配当金は権利確定日から約1週間後に支払われる のが一般的です。細かな権利確定日は毎年異なるため、証券会社の公式サイトなどでチェックしましょう。
高配当ETFに投資する際のおすすめ証券会社3選
高配当ETFに投資するのであれば、以下3つの証券会社がおすすめです。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
それぞれの証券会社の特徴やおすすめポイントなどについて、詳しく解説します。
SBI証券|取扱銘柄数が豊富!投資初心者の方にもおすすめ
SBI証券は、日本株・米国株・投資信託・債券・FXなど、幅広い投資商品を取り扱う総合証券会社です。
手数料が業界最安水準であることに加え、住信SBIネット銀行との連携で為替手数料を抑えられる点も大きな強みです。
- 日本株の売買手数料が無料(ゼロ革命)
- 投資信託の取扱数が業界最多クラス
- 便利な株アプリで手軽に取引可能
- 住信SBIネット銀行経由で為替手数料が最安水準
- VポイントやPontaポイントで投資が可能
SBI証券は、コストを抑えつつ幅広い銘柄を取引できる点が大きな魅力です。とくに、住信SBIネット銀行を利用することで為替コストを下げられるのは、大きなメリットになります。
また、日本株や投資信託はVポイント・Pontaポイントなどで購入することが可能です。貯まっているポイントを有効活用したい方にとって、魅力的な選択肢になるでしょう。
SBI証券はNISA口座にも対応しているため、ぜひNISAでの取引も検討してみてください。
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楽天証券|楽天ポイントを活用したい人におすすめ!
楽天証券は、楽天ポイントを活用しながら投資ができる点が最大の特徴です。
投資信託や日本株だけでなく、米国株やETFの買付にも楽天ポイントを使えるため、普段の買い物やサービスで貯めたポイントを資産運用に回せる というメリットがあります。
- 楽天ポイントを使って日本株・米国株・投資信託を購入可能
- 日本株の売買手数料が無料(一定条件あり)
- 投資信託の取扱数が豊富(2,600本以上)
- 楽天銀行と連携すると普通預金の金利が優遇(最大0.1%)
- クレジットカード積立(楽天カード)で1%ポイント還元
楽天証券は、楽天ポイントを活用しながら投資をしたい人に最適です。
とくに楽天経済圏で生活をしており、楽天カードや楽天市場でポイントを貯めている方であれば、無駄なく資産形成を進められるでしょう。
楽天証券はNISA口座の開設が可能なため、楽天ポイントでNISAの運用がしたい方にもおすすめです。
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マネックス証券|米国株投資と高機能ツールが魅力
マネックス証券は、初心者から上級者まで幅広い投資家に支持されるネット証券会社です。
とくに、米国株取引や高機能な取引ツールに強みを持ち、幅広い投資ニーズに応えています。
- 米国株取引手数料が業界最安水準(約定代金の0.495%)
- 「銘柄スカウター」で効率的な銘柄分析が可能
- NISA・iDeCo対応で長期投資にも適している
- 豊富なIPO(新規公開株)の取り扱い
- 投資初心者向けのガイドや情報提供が充実
マネックス証券は、米国株投資に興味がある方におすすめの証券会社です。約4,000銘柄以上の米国株やETFを取り扱っており、手数料も低コストなので取引しやすいでしょう。
また、無料ツールの「銘柄スカウター」を使えば、企業の詳細なデータを簡単に分析でき、中長期投資を考える方にとって強力なツールとなります。
米国株投資や多機能なツールを求める方にとって、マネックス証券は非常に魅力的な選択肢です。手数料を抑えて本格的な投資を始めたい方は、ぜひ検討してみてください。
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まとめ:目的に合った高配当ETFを選び、長期的な資産形成を目指そう!
高配当ETFは、安定した配当収入を得ながら、資産を増やしていくのに適した投資手段です。
ETFごとに特徴が異なっており、選び方次第で投資の成果が大きく変わるため、自分の投資目的に合ったETFを選ぶことが重要です。
安定した高配当を求める場合 | VYM、HDV、DVY |
とにかく高利回りを求める場合 | SPYD、JEPI、QYLD |
将来の増配と値上がりを狙いたい場合 | VIG、SCHD |
連続増配の安定性を重視する場合 | SDY、NOBL |
高配当ETFを運用する際には、配当金を再投資することで、複利効果を活かしながら資産を増やすことができます。NISAを活用すれば配当金の税負担を軽減できるため、税制優遇を最大限に活かすことも大切です。
高配当ETFは短期的な値動きを気にするよりも、長期的にコツコツと配当を受け取りながら資産を増やしていくスタイルに適しています。
どのETFを選ぶかによってリターンの傾向が異なるため、目的に応じたETFを選び、適切な戦略で運用していきましょう。
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高配当ETFに関するよくある質問
- 高配当ETFの配当金が減ることはある?
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ETFの配当金は組み入れ銘柄が支払う配当金をもとに決まるため、企業の業績悪化や減配があれば、ETFの配当金も減少する可能性があります。
また、ETFの運用方針によっても配当の変動が起こります。たとえばVYMやHDVのような「高配当ETF」は安定配当を重視するため大きく減ることは少ないですが、SPYDのような「単純に高配当銘柄を均等加重で組み入れるETF」は、景気によって配当が大きく変動しやすい傾向があります。
さらに、カバードコールETF(JEPIやQYLDなど)は、市場環境やオプション取引の影響を受けて、配当が変動することもあります。
- 高配当ETFと高配当株はどっちが良い?
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どちらが良いかは、投資の目的によって異なります。
高配当ETFは、複数の銘柄に分散投資できるため、個別株のリスクを抑えながら安定した配当収入を得られるのが魅力です。一方、高配当株は自分で銘柄を選ぶことができ、ETFのような経費率がかからないため、より高い配当利回りを狙うことも可能です。
初心者や手間をかけずに運用したい人には高配当ETFが向いており、個別株のリスクを取ってでも自分で銘柄を選びたい人には高配当株が適しています。
どちらか一方にこだわるのではなく、ETFと個別株を組み合わせてバランスよく運用するのも良い選択肢でしょう。
- 投資信託で購入できる?
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高配当ETFそのものは日本の証券会社で直接購入できますが、ETFではなく、投資信託として購入できる商品もあります。
たとえば、SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)は日本の証券会社では買えませんが、SBI証券や楽天証券では「シュワブ米国配当株式ファンド(投資信託)」として購入可能です。
また、「VYM」「HDV」「SPYD」などの人気高配当ETFに連動する投資信託も存在するため、ETFの直接購入に抵抗がある人は、投資信託を活用するのも選択肢の一つです。
ただし、投資信託とETFではコストや運用方法が異なるため、実際に投資する前によく確認しておきましょう。
※本記事に掲載している情報は当サイトの見解です。最終的な投資判断は自己責任でお願いいたします。